富士五湖を結ぶ国道139号と、河口湖大橋から東富士五湖道路を結ぶ町道。この2つが交わる富士北麓観光の要衝地に、昨年12月巨大なオブジェを思わせる建造物が姿を現した。
 一見、美術館とも思えるモダンな建物の正体は郷土料理店『ほうとう不動』の新店。富士山にかかる雲をイメージしたデザインは、従来の和風建築の雰囲気とはガラリと趣きを変える。著名建築家が設計した柱のない特殊構造の店内には、350もの席を用意。席のイスやテーブルも木工作家による特注品という熱の入れようだ。
 同店では馬刺しや黒糖炊きいなりといったサイドメニューもあるが、提供されるほうとうは「不動ほうとう」(\1050)の1本勝負。かぼちゃ・里芋・白菜・人参などたっぷりの野菜が入った味噌仕立ての汁に自家製の平太麺を入れて煮込む。「ほうとうはこの組み合わせが1番!」。そんなお店の思いが伝わってくる。近い将来、ここ富士北麓にはさらに多くの外国人観光客が訪れるであろう。その観光客たちのお目当てにはその土地ならではの“味”もある。国内外の大勢の方に郷土の味を伝える。同店はそんな味の情報発信地ともなりそうだ。
ほうとう不動
山梨県富士河口湖町船津2458 0555-72-8511
営業時間/10:30〜20:00(麺がなくなり次第終了)
※夕方以降のご来店の際には事前の確認をお勧めします

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