やまぼうし

 今回は河口湖畔に静かにたたずむ和風家庭料理のお店『やまぼうし』を紹介します。
 階段を上り二階の入り口から店内に入ると、正面の暖炉と両サイドの大きな窓が目に飛び込む。晴れていれば、それぞれの窓から富士山と河口湖が望める絶好のロケーションだ。ここのメニューは全ておまかせの料理のみ。ご予算三千円から希望に応じて対応してくれる。お昼には月替わりの松花堂弁当(千三百円)も用意されている。無農薬野菜を使用し、手をかけて作る料理がここの自慢。季節によっては店の前の畑で栽培した野菜が並ぶこともあるとか。だしや調味料も天然物にこだわり、野菜の旨味や自然の甘さが料理に活きるよう工夫。化学調味料は一切使用しない。新鮮な野菜をふんだんに使った『くず寄せ』や香りの高い『ごま豆腐』は、来店の大多数を占める女性客から特に高い支持を集めている。 実は、このお店の味は三人の主婦によって創り出されている。「体にやさしい味を心掛けている」という代表の小池富美子さん。健康への気遣いは主婦ならではの視点、といったところ。 昨秋、開店10年を迎えた同店。しかし、その一品一品に詰まった主婦たちのこだわりは今も変わらない。