一杯のコーヒーで昭和の時代を感じる 〜富士吉田市 喫茶 夢〜
家電店ノジマの向かいにある細い道を進むと、右手に見えてくる色あせた建物。恐る恐る入口から店内へ進むと、いかにも昭和な雰囲気のカウンター、そして巨大なスピーカーが目に飛び込んでくる。昭和43年創業の『喫茶 夢』は時間が止まったような、何とも不思議な空間だ。「常連客しか来ないよ(笑)。入るのに勇気がいるんじゃないかな。」と店主の橋本さん。最近はインターネットを見て県外から訪れる客もいるが「ウチはわざわざ来る店じゃないよ。」と恐縮してしまうとか…。 最初は奥様が始めたお店だが、その後橋本さんも退職し合流。その時の退職金で買 ったのが、入口の巨大スピーカーだ。当時はコーヒーとカレーをメインに、お酒や食事も提供していた。スピーカーが『テネシーワルツ』を奏でるなか、「社長さんが集まって話をしたり、先生達が会議をしたり、インベーダーゲームを置いたら行列が出来たこともあったなあ。」と橋本さんの話も弾む。ギスギスしていなかった当時の様子が自然と頭に浮かぶ。現在は一杯300円のコーヒーと自家焙煎100g260円の豆がメニューの全て。しかし、もっと大きな価値がこの空間にある、そう思えてしまう不思議なお店だ。 |
喫茶 夢 富士吉田市上吉田1-5-8 吉田中学校そば 営業時間/9:00〜17:00 0555-23-0838 |